「俺、楓谷に言わなきゃいけないことがあるんだ」
 俺が真剣な表情をしたら楓谷も真剣になった。
「うん」
「俺さ、楓谷のことを佐藤先生からいろいろ聞いたんだ。その時、先生に楓谷をお願いって言われたんだ。だから毎日、一緒に帰ったりしてた。」
「あ・・・そうなんだ。」
 俺は頷いた。
「その時からさ、楓谷のことが気になって仕方なかった。どんな奴なんだろう、とか、楓谷はどんな思いをしてきたんだろうとか。」
 俺は一言一言を思い出しながら話した。
「それで・・・。クラスの蓬田にそれを言ったんだ。」
「・・・!」
 楓谷の表情が変わったのが分かった。
 きっと楓谷は蓬田にいじめられていたからだと思う。
「そしたら、それは恋だって言われたんだ。」
「え・・」
 強ばった楓谷の表情がまた変わった。
「その時から俺は楓谷への考え方が変わった。」
 俺は楓谷の目を見て真剣に言葉を発した。
「楓谷のことを・・・好きだって気持ちに変わった」