どうすればいいのか分からなかった。
 俺達の間に沈黙が流れた。
「神守君さ・・・。いつまで片想い続ける気?」
 泣くのをやめ、蓬田が言った。
「・・・」
 その言葉で俺は目が覚めた。
 いつまでこうし続ける気だろう。
 もう俺は楓谷が好きだって分かったことじゃないか。
「何をためらっているの?」
「なんでだろう・・・。」
「・・・ばっかじゃないの?このまま引きずってたって何も変わらないわよ」
「あぁ。蓬田の言うとおりだ。」
「だったら行きなさいよ!」
 蓬田が俺に怒鳴った。
「・・・蓬田?」
「今気づいたんでしょ!?今言わなきゃって・・・!だったら今しかないでしょ!」
 蓬田が俺の背中を押して保健室から出した。
「俺・・・いけるかなぁ」
「・・・絶対大丈夫」
 蓬田は俺の目を見て真剣に答えてくれた。
 絶対・・・大丈夫。
「蓬田、ありがとう!」
 俺は蓬田に笑いかけて廊下をダッシュした。