「大丈夫なら良かった!」
 楓谷が笑った。
 俺も自然に笑えた。
「私・・・カウンセリングやめたんだけど・・・」
 楓谷が話し始めた。
「なんか先生が・・・やめない方が良いって・・・。だからこれから相談室行かなきゃいけないの。」
「ああ。」
「ごめんね・・・」
 楓谷は心配そうに俺を見た。
「いいよ、行ってきなよ」
 楓谷はごめんね、と言って保健室から出て行った。
 すると、楓谷が出て行ってすぐ、誰かが保健室に入ってきた。
 先生かと思って振り返った。
「楓谷なら・・・・・・」
 でも、それは先生ではなかった。
「何よ。こんなところに居たの?」
 若干、息を切らした蓬田だった。
「蓬田!?」
 俺は立ち上がった。
「な、何!?別に・・・ただ具合悪くなったから来たのよ!・・でも先生がいないならいいわ」
 そう言って蓬田は後ろを向いて出ていこうとした。
「待てよ!」