「ごめん・・・・。だからさ・・・そうやって暴力されたりするんじゃないかな」
 蓬田は本音を言っただけだ・・・。
 でも、楓谷のことを悪く思ってるなんてショックだ。
「・・・・あれ?」
「何?」
「あのさ、何で蓬田さ・・・。俺が誰かに殴られたって知ってんの?」
 蓬田は顔色を変えた。
 蓬田は何かを知ってる・・・。
「・・・蓬田?」
 蓬田は立ち止まった。
「・・・?」
 こちらを真剣に見つめて頭を思いきり深々と下げた。
「ごめんなさい・・・!私・・見てたの・・・。」
「・・・え?」
「神守君が殴られたり蹴られたりしてるとこ・・・・見たの!」
 蓬田はあの時見てたのか・・・。
「でも私・・・何もできなくて・・・!見て見ぬふりした・・・・」
「蓬田・・・」
「ごめんなさい!!」
 蓬田はお辞儀をしたまま涙を流していた。
「い、いいんだよ!」
 蓬田は一度顔を上げた。