最初は体が痛かったため、電話に出なかった。
 でも2回、3回と鳴るもんだから痛い体を我慢して電話に出た。
「もしもし?」
「・・・あ、もしもし。蓬田ですけど神守翼君は居ますか?」
「俺だけど・・・」
 また蓬田だった。
「あ、神守君?ごめんごめん」
「あぁ。何か用?」
「・・・大丈夫かなって。昨日、怪我してたし今日学校来なかったし。」
「この電話に出るまでにも激痛だよ」
「ご、ごめんね!」
「用ってそれだけ?」
 俺の声がだんだん機嫌が悪くなっていくのに蓬田は気付いていた。
「あ・・・大丈夫ならいいの。困ってないかなって思っただけ」
「そうか」
「うん!ホントにごめんね!じゃっ」
 蓬田が電話を切ろうとしたところを俺は止めた。
「蓬田!」
「・・・何?」
 間に合ったようだ。
「あのさ・・・今、どこ居んの?」
「学校の門出たとこだよ。」