するとドアをノックする音が聞こえた。
「翼、お客さん。」
　母さんがドア越しで言った。
　仕方なく俺は部屋を出た。
「誰？」
「さあ・・・。女の子。」
　そりゃ俺の知り合いは男子なんて居なく、女子ばっかだからな。
　俺は階段を降りて玄関に行った。
　そこには俺の学校の制服を着た女子が立っていた。
「蓬田・・・。」
「・・大丈夫？」
　蓬田は俺の姿を見て驚いていた。
「ああ。」
　蓬田は俺の姿を心配そうに見ていた。
「それで、何？」
「あ、うん。あの・・・」
　蓬田は鞄から紙を差し出した。
「・・・何？手紙？」
　蓬田は頷いた。
「今日、さっきまで委員会で学校に居たんだけど帰りに楓谷さんが玄関にいて・・。声かけたらこれを渡してほしいって言われて・・・」
「楓谷からの・・・手紙？」
「うん。いつ届ければ良いか分かんなくて・・・どうせ家同じ方面だしって思って今・・」
　俺は手紙を受け取った。