1人の男子が掃除用具入れを思いきり蹴った。
 その音は廊下に響き渡った。
「できてねえよ」
 俺はその場を去ろうとした。
 でも俺の腹に拳が振り落されたためその場にかがみ込んだ。
「おいおい。誰が行って良いって言ったんだよ?」
 3人は俺のヘタレさに笑っている。
「じゃあ・・・。俺が楓谷と付き合ってたら何だって言うんだよ」
 俺は立ち上がった。
 そうだ、俺がこんなにされてんのは楓谷と付き合ってる疑惑から生まれた。
 それじゃ、楓谷が悪いみたいじゃねーか!
「は?お前と楓谷ねぇ・・・。」
「いいんじゃねーか?」
 と、またげらげらと笑いだした。
「・・・楓谷の何がいけないんだ?」
 すると俺の腹にまた拳が振り上げられた。
 うぐっ、俺はしゃがみ込んだ。
「お前、何も知らねーのかよ?」
「・・・何の・・ことだよ・・。」
「お前が知るようなことじゃねーよ」
 俺は3人を見上げた。
 まるで見下ろされてるみたいだ。
「何睨んでんだよ!」