「でも・・・楓谷さんかぁ。意外だね!」
「べ、別に・・・好きじゃないし。」
 顔が熱い。
 めっちゃ蓬田が見てくる。
 きっと俺、今、顔赤いよなぁ。
「じゃぁ、それは、気になってるってことかな!」
 気になってる・・。
 確かに俺は楓谷が気になるけど・・・。
 そういう気になるなのか・・?
 俺が首をかしげていると蓬田は俺に教えてくれた。
「気になるっていうのは、好きってまでは言ってないけど、いいなぁとか思う事だよ。」
 いいなぁ?
 俺、楓谷のこと、いいなぁって思ったこと・・・ない・・・?
「楓谷のいいとこ・・・思いつかないんだけど。」
「あぁ!惹かれちゃう何かがあるんだね!」
 惹かれる何か・・・。
「あぁー・・・。分かんねえ!」
 俺はまた頭を抱えて机に突っ伏せた。
「・・・楓谷さんのそばに居てあげたいって思ってるんだったらそれでいいんじゃないかな。」
 急に真剣な声で言う蓬田。
「・・・え?」
「好きとか・・・そういうのじゃなくて。そばに居てあげたいなら居てあげなよ。」