なんで楓谷が頭から離れないんだろう。
 俺は楓谷のお世話役みたいな奴なのに・・・。
 個人的に気になってんのかな・・・。
 いや、待て待て。
 てことは俺、楓谷のこと・・・好きなのか・・?
 これが好きっていうものなのか!?
 頭を抱えて机に伏せていた。
「神守君・・・?大丈夫?」
 顔を上げるとクラスの女子、蓬田がいた。
「蓬田・・・。」
 蓬田はニコッとして俺の前の席に座った。
「悩み事なら聞くよ?」
 優しいことで結構モテる蓬田。
 でもさすがにこんな悩み、言えるわけない。
「いや・・・。いいよ。ないし。」
 そっけなく返事をしすぎたかなと思った。
 蓬田は心配そうに俺を見ていた。
「そっか。私なんかじゃ・・・役に立つわけないもんね。」
 悲しそうな顔をする蓬田から目を離せなかった。
「そんなんじゃねーよ・・。」
 そんな蓬田を見ていたら話さないわけにはいかなくなった。
「そ、それは恋だよ!」
「あ、おい!」
 あまり普通の声で言うので周りの人に聞こえてはいないか焦った。