なんとなく、コンビニに行ってみた。
 財布も持ってきてなかったので、雑誌を立ち読みしていた。
 でもその雑誌の内容は頭に入らなくて、楓谷とどうすればいいか考えた。
 自動ドアが開いた瞬間、物凄い勢いで中に入ってきて、慌てた様子で何かを探していた。
「楓谷・・・!?」
 目を疑った。
 まさか、こんな所で会うなんて。
 今だ、今言うしかない。
「楓谷?」
 近づいて呼んでみると、いつもは全く驚かない楓谷も今日はさすがに驚いていた。
「・・・!!」
 驚いて声も出ないといった状況だろう。
「あのさ・・・話したいことが・・・」
「ごめん!・・・今は無理。急いでるの。」
 すると楓谷はキョロキョロし、すぐに近くにあった商品に手を伸ばし、レジへ行った。
 酒・・・。
 楓谷が飲むわけないよな。
 そういうのはしなさそうだし。
 ・・・親とか?
 子供に酒を買わせるのかよ。
 俺の頭に嫌な予感がよぎった。
 そんなわけない・・・よな。
 まだ気分が良くならないから俺は楓谷の家の方面へ歩いた。