そんなことを思いながら俺は眠ってしまっていた。
「翼！」
「うぁ!?」
　いつの間にか外は暗くなっていた。
　時計を見ると７時。
「ご飯だよ！」
　母さんが部屋まで来て起こしに来ていた。
　眠そうな顔で食卓に行くと、父さんに顔を洗いに行けと言われた。
　めんどくさかったが、それに反抗するのも面倒なのでしぶしぶ洗面所へ行った。
　目の前の鏡を見ると、本当に眠そうな顔の俺がいた。
　ため息をついて顔をバシャバシャと洗った。
　俺の顔はいつも通りの顔だが、どこかひどい顔にも見えた。
「お兄ちゃん？」
　朝陽が洗面所に顔を覗かせた。
「おお。今行く。」
「ううん。そうじゃなくてね。最近元気ないけど、どうかしたの？」
　なんて兄貴だ・・・。
　妹に心配されるようになっちゃ、兄として失格・・・。
「そうか？腹減ったー。行くぞ」
　俺は平然を装い食卓へ行った。
　今日は何だか食欲がなかった。