次の日から、楓谷に会っても目を逸らされる。
　俺達の間には気まずい空気が漂っていた。
　さすがにアレはまずかったかな。
　そんなことを思っていた。
「神守君」
　佐藤先生が俺を呼んだ。
「あ。先生・・・。」
　合わせる顔がなかった。
　楓谷のことを頼むって言われたのに。
「神守君・・・。なんだか最近、おかしいのよ・・・。」
「・・・楓谷のことスか。」
「そうそう。・・・何かあったの？」
「え。・・・いえ、何も。」
　目も合わせられなかった。
「そう・・・。ごめんね、急に聞いちゃって！」
　そう言って行ってしまった。
　なんてことしてしまったんだ。
　楓谷と会うのが少し楽しみだった。
　だから今、楓谷と会う度に心が痛む。
　ズキッて―――。
　今日の放課後、楓谷を見た。
　声かけて、呼び止めた。
　でも、楓谷は止まってはくれなかった。
　振り向いてもくれなかった。
　だから今日は１人で帰った。
　これからどうしようとか何て言ったらまた一緒に帰ってくれるかなとか。