大和中2年、神守翼。
 上級してからもう3ヶ月。
 もうすっかりクラスに馴染んでいた。
 でもただ1つ、気になっていることがあった。
 俺の隣の席が空席のこと。
 不登校の女子らしいが、2年になってから一度も見たことがなかった。
 テスト期間により、部活動なしでの帰宅となった。
 俺はテストがあるにも関わらず、書店やらCD屋やらに立ち寄った。
 漫画の新刊や、欲しかった最新アルバムが売っている。
 それを物欲しそうに眺めていた。
「あの・・・いいですか・・・。」
 突然後ろから声が聞こえ振り返ってみると、中学生くらいの女の子が立っていた。
 どうやら俺が邪魔だったらしい。
 この子もこのCDを買いに来たのか。
「すみません。」
 少しよけた。
 だけどその子はCDを取ろうとしなかった。
「あの・・・。」
 声をかけるとハッとしたようにCDを1枚取って礼をしてすぐに行ってしまった。
 俺はあいにく財布を持っていなかったため、そのCDを諦めた。
 CD屋をあとにして街中をぶらぶらとして帰ることにした。