「憂のエンゲージリング…。」


「事故のときに外れたんだろう。
 伝言と一緒に渡そうと思って拾ったんだ。」


俺は指輪を受け取りおじさんに深く頭をさげお礼を言った。


おじさんは首を横にふり『また会えたらお茶をしよう。』と言いどこかへ行ってしまった。


俺はもう1度おじさんの歩いていった方にお礼を言って踵を返した。


目的地は病院。


俺は全力で走った。


1秒でも早く憂に指輪を返したかったから。


病院内も走る俺は看護士さんに何回注意されたかわからない。