「ねぇおじさん。
　譲の事故のこと知っている？　もし知っているなら教えてほしいです。」


おじさんは私の言葉に目を丸くしたがすぐにあの優しい顔に戻って事故のことを話してくれた。


その事故は飲酒運転だった車が蛇行しながら譲たちに近付いて来てそれに慌てた大型ﾄﾗｯｸが右ﾊﾝﾄﾞﾙをきったのにﾊﾞｲｸで大型ﾄﾗｯｸの隣を走っていた譲ともう１人いた男の人が巻き込まれたというものだった。


大型ﾄﾗｯｸを運転していた中年男性は軽い怪我で済んだらしい。


でももう１人いた男の人はまだ譲と同様目を覚まさないと……



「おじさんありがとう…。
　あっよかったらお名前聞いても…？」


「あぁ。
　伊崎竜太郎と申しますよ。」


おじさんは笑顔でそう言うと『またきます』と言って帰っていった。