「純、庵何してるの?早くおいでよ」



リビングのドアから顔を出し、俺らを呼ぶ茉咲にすぐに反応した庵は俺から降りて、走ってリビングに向かった。

それを俺も追いかけるようにして、リビングのドアを開けた。



「純遊、やっぱり茉咲ちゃんの料理は美味しいよ」

「そうかなあ」

「そうだよ!ねっ純遊」

「ああ、そうだな」



茉咲が作ったカレーを口一杯に放り込む萌子を茉咲は本当に嬉しそうな表情で見つめていた。

俺は、ネクタイを外し、萌子の隣の席に座った。



「いただきます」

「どーぞ」



庵の為の甘口のカレーは、俺にはちょっと物足りないけど、やっぱり美味しかった。



「んまいよ」

「ヘヘ……ッ、本当に?」

「うん、ホントに」

「茉咲ちゃん、今度あたしにも料理教えて?」

「うん!もちろん」