「はあっ、はあっ……」



いつもいつも、アイツに動かされる。



「萌子……何処だよ」



確か、萌子は恋愛小説や少女マンガ好きのベタ女だ。
もしかすると―――。



――――――――――



階段の先にある大きなドアをバンッと勢い良く開けた。



「……やっぱり、居た。」

「純遊。何で来たの?」

「瑠璃が言ってた事、間違って無い。悪ィ、お前の事好きなのに、強い事言っちまった」



そう言うと、萌子は此方をジッと見ていた。



「誰に言ってんの?……それ。」

「プッ」

「何よ」

「藪内萌子が、俺は好きです。」