「柳瀬君、待って下さい」



その背中を、私はまた走って追いかけた。



「俺、どうしたらいい?」

「どうしたら……とは?」

「昨日は、妹が熱出して学校を休んだ。もう二度とこんな事がないって言うのは100%ない」



深刻な顔をして、柳瀬君は話を進めた。



「萌子にもう一度“好きだ”と言うのは簡単だけど、これからどうしたらいいのか、判らないんだ。」

「判らなくていいんです。ただ今は、好きな人に好きって伝える事が、未来を考えるより先なんじゃないんですか?」

「……」

「もし、これから先辛いことがあっても萌子さんとならキット、乗り越えられますよ」



そう言うと、柳瀬君の目から涙が流れ落ちてきた。



「え」

「ふ……ん、ッ…俺は、萌子に……伝えたい」



その言葉いに私は微笑んだ。