しばらくすると、大勢の人が教室に入ってきた。

その内の1人に―――柳瀬君がいた。



あくびをしながら自分の席の前に立った。



「あ……純遊…」

「どいてくれる?」



私の席の隣……柳瀬君の席に座っていた萌子さんに向かって、冷やかな言葉を向けた。



「ご、ごめん。じゃあ、瑠璃、後でね」

「はい……」



悲しそうに去っていく萌子さんの背中を見るのは……辛い。



「純遊、おはよう。眠そうだね」

「あー、萌斗か。はよ」

「おはようございます」



私が柳瀬君に挨拶をすると、柳瀬君はジッとこちらを見てから机にうつ伏せになってしまった。



無視……。