「荻原さん、そんな処で突っ立ってないで座りなよ」
「あ、はい。そうさせて頂きます。」
萌斗君優しい声に釣られて、慌てて席に座った。
「ねえ、瑠璃。訊いてあげて!萌斗のノロケ話」
「ノロケなんかじゃ無いよ!!!ただ、可愛いなあ…って」
「ノロケ話って何ですか?」
そう訊くと、萌斗君は恥ずかしそうに顔を真っ赤にして下を向いてしまった。
「萌斗ね、好きな人が出来たんだって」
「そうなんですか?!どんなお方で?」
「……友達想いで、優しくて…可愛くて……」
「ノロケ……ですね。」
「もう!荻原さんまで!!!」
私は、真っ赤な顔をする萌斗君の顔をみてフフフっと笑った。
好きな人の話をするときの萌斗君のお顔はとても優しいです。
本当に好きなんだなあって、伝わってくる。