『○○駅~、○○駅~』



あ、もう着いた。

学校の最寄り駅に着いて、本をカバンの中に入れ立ち上がると、柳瀬君はまだ寝ていた。



起こした方が……良いよね?



私は、柳瀬君の眠る席へ向かい、肩を叩いた。



「柳瀬君、起きて下さい。着きましたよ」

「ん」



柳瀬君の目がパチッと開き、まだ眠そうなその目と目が有った。



「瑠、璃?」

「あの、駅に着きましたよ?」

「もう、電車走ってるけど?」



え……
気づくと、もう電車は次の駅に向かって走り出していた。