誰も答えない。

僕は誰かに

問い掛けたかった。



答えが欲しい訳じゃない。


ただ

言葉が溢れ出て

止まらなかった。



「仕方がない。

あなたはまだ

死んではいけないんだ。」


「えっ?」


自分の側に

誰かがいる。


霞んだ目の中に

その顔が浮かんだ。



「誰だ?」


そう問い掛けると


「あなたを助けた者です。」


と、彼は答えた。