「レン、今日一緒に帰ろうぜ!」
今は昼休み。あたし、早瀬 歌恋(はやせ かれん)を『レン』と呼ぶ彼は、杉浦 亮(すぎうら りょう)。
実はあたしの好きな人。
「あ、うん。」
「なんだよ~冷たいなぁ。ま、よろしく!」
冷たいもなにも、明るく返事する余裕なんてないんですけど・・・。
遠ざかって行く彼の背中に、焦りの視線を送った。
「カレンっ良かったじゃん!」
一部始終を見ていたのか、ニヤニヤしながらそう言って来たのは、親友の本條 涼香(ほんじょう すずか)。
涼香は頭が良くて、綺麗で、性格もサッパリ系のモテる女の子。
あたしが勝てる事はない。あえて言うなら、運動は同各に出来るって事だ。
そんな親友を持てた事を本当に誇りに思える。
「ちょ、声大きいって」
「もしかしたら、もしかするかもねぇ~コレは・・・」
「え、なにが?」
「こ・く・は・く」
告白!?
「そ、そんなわけないじゃん!バカッ」
あたしの声に近くにいた女子の視線が一気にあたし達に向けられる。
「しーっ!ま、がんば~」
涼香、絶対楽しんでるでしょ。