「いいですか、レオノーラ。
私が先ほど言った言葉は真実です。」
…雰囲気が、違う…?
「これは王族の女性のみ起こる呪い。
はるか昔、…あなたが先程出逢った
ジャンヌ様がこの国を開国してから
呪いは、続いてきました。」
とても冷静で、伏しがちな瞳は
潤み気味でいつものお母様からは
想像もできないぐらい美しい。
「『自分を偽り生きる事。』
…引き換えに民衆の
絶大なる信頼を得ましたが…。」
『偽り』。
そう…なんだ。
いつものお母様はお母様じゃない。
…辛いよ、そんなの。
誰だって本当の自分を見てほしいよ。
「よく聞きなさい。
『本当の自分』を晒した王族の女は」
ゴクリ。
生唾を飲み込む。