「なっ…何なのよ!」

「好きな人の幸せも願えないのかよ!?」

女は…美海の言葉に、戸惑いの表情を見せた。

年下の美海に、そんなこと言われるなんて、高校生からしたら、相当嫌に決まってる。
あたしだったら、絶対に嫌だからね。

「あたし…陽がまだ好きなの…。フラれたけどっ…まだ…」

女は泣き崩れた。
それでも空気はまだ、重いままだ。

「清羅、俺はお前がもう嫌いだから」

陽が冷たい言葉を放った。
その顔に、笑顔なんてものは無かった。