あたしは息を飲んだ。
「…俺…病気持ってるんだ」
「…えっ…」
「いつ死んでも可笑しくないんだってさ」
陽は、はぁ…とため息をつき、砂浜に腰をおろした。
「どうせ死ぬんなら、最後に葵に会っておきたくて。それで俺は帰ってきた」
「彼女と別れるためっていうのは本当の話?もしかして、嘘ついた…?」
「…嘘じゃ、ないけど…」
あたしが聞いたことなんて…本当はどうでもよかったんだ。
違うことを聞こうとしてた。
でも怖かった…。
陽の病気を知るのが、怖かった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…