「…ん」

しばらく歩いて、やっと港についた。

今日の港は、いつもより静かで…違う雰囲気が漂っていた。

「あっちいこうよ」

陽が指差したのは、海に繋がっている砂浜。

あたしはサンダルを脱いで、砂浜を歩いた。

サラサラした砂浜。
海の水がゆらゆらと波をうっている。

「…陽、あのさ」

あたしは立ち止まった。

「…何?」


「…帰ってきた、本当の理由教えて」

「……………」

彼女と別れるため。
それは嘘じゃないと思う…。

でも、裏があると思うんだ。

「…俺…」