子供の人数が少ないこんな島の奥に、ぽつんと建っている小さな校舎。

小学校と中学校が繋がった校舎。
幼稚園や高校などはない。
そのせいもあって、学生の数がすごく減っている。

夏休みの今は、誰もいないだろうけど…

「陽じゃーん!お前帰ってきたのか!?」

陽…?
あたしは声の聞こえる方に向かった。

「あぁ!」
茜だ!

茜は、女の子みたいな名前だけど、れっきとした男の子。
コイツも相変わらずだ。

「葵ー」

陽があたしに気づいて手を振った。