「俺、暇だったから早く戻って来たんだよ」

「へぇ…あ、美海のこと分かる?」

まだ少し焦りながら美海は聞いた。

「美海、変わってないね。葵もだけどさ」

「葵は髪だけ変わったよ」

美海は笑いながら言った。

「ねぇ、麻里奈ちゃんってどこ?」

「麻里奈ちゃん、寝ちゃったよ?疲れたみたい」

何に疲れたんだか、あの人は…。

「俺そろそろ家行くな。また明日来るから!」

陽は手を振りながら、走り去っていった。

「ねぇ、葵…陽に大切なこと伝えたの?」