あたしが麻里奈ちゃんの家を出て、走ってきた先は…あのひまわり畑。

ひまわりはみんな、上に向かって…太陽に向かって…伸びている。


…陽がもし…もしも記憶喪失になっていても、結局は…この島に戻ってくるんだよね?

また…逢えるんだよね…?

陽に逢えるなら…ただそれだけで…。
あたしはそれだけできっと…幸せだと思う。


「はぁはぁ…葵っ」
「み…う…」

見上げると、美海が立っていた。

「美海…」

「葵、これ見て…」

あたしの言葉を遮り、美海は目の前に1枚の写真を置いた。