それを見て、あたしは気づいたの。
陽の笑顔は…“太陽”だって…。
陽はあたしの“太陽”なんだ…。

「葵…あとでうち来て。美海も連れてきていいから」

「…わかった…」

麻里奈ちゃんの顔に笑顔はなく、完全なる真顔だった。

照幸おじさんも、何かを察したのか、ただただ黙っていた。

今この状況を理解していないのは、あたしだけ。
何が起きているのか…分からない。

朝の海にぽつんの浮かぶ船には、静かな空気が漂ってるだけだった。