8月6日。
とうとう陽が帰ってくる日の、前日になった。

明日帰ってくるとしても、何時かは分からない。

あたしは、まだお母さんが寝てる時間に、外に散歩に出た。

さすが夏だ。
朝で曇ってるけど、ムシムシしている。

「葵!」

「あ、麻里奈ちゃん」

港の方に行くと、麻里奈ちゃんがいた。

「葵、何してるの?」

「あたしは朝の散歩。麻里奈ちゃんは?」

あたしが聞き返すと、麻里奈ちゃんは船をチラッと見てから言った。

「お父さんの手伝いよ…」