―次の日―…

あたしは朝、美海の家を出た。

里紗子ちゃんに、新しい家を紹介してもらうために。

「本当に安いわねぇ」

値段を教えてもらったお母さんは、ずっとその言葉を連発している。

「何回言うの…」

相変わらず、ここに帰ってからお母さんは笑顔だ。

「あ、葵。髪染め直したら?高校行ったらどうするの?」

「あぁ…大丈夫でしょ?まだ先だし。落ちることはないからさ」

こんなちっちゃくて、人数が少ない島でも、小さな学校があって、小学校に中等部と高等部がついている。