「葵、着いたわよ!」
お母さんは、走って船を降りる。

「ちょっと!置いてかないでよ!?」


ザザザ―…
海がほんの少しだけ、波を打つ。

懐かしい…思い出の音。

あたしは、胸に光るネックレスを見た。

「あたし、帰ってきたんだね…」

ネックレスが太陽に反射して、キラキラ光る。

「葵!ちょっとアレ買ってきましょ!」

お母さんは、あたしの手をぐっと引っ張り、どこかに連れていった。

「どこいくの?」

「あら葵、覚えてないの?」

お土産が売っているような店に入った。