…あの日から、10年の月日が経った…。


「ごめん、別れよう」

新山の返事は聞かず、俺は走り出した。

もちろん、島にいくため。
葵に会うため。

葵はいなくても、俺は約束を覚えてるから。

首にかけたネックレスを握りしめ、俺は島へと急いだ。

島独特の海の匂い。

美海みたいだな、この海…。

そういや、茜…
元気にしてっかなぁ?

15歳になった今、俺は約束を守りに行く。

あの地へ―…