お母さんが帰ってきたのは、夕方だった。 それから電車に乗って、港に行った。 「久しぶりの船ねぇ…」 船に乗る時、お母さんはそう呟いた。 疲れた様子で、中の椅子に座った。 あたしは外から海と空を眺めていた。 海と空…ずっとずっと平行線だよね。 交わることってあるのかなぁ…? 昔、陽に言われたのを覚えてる。 『葵って、ひまわりみたいだよな』 あたしがひまわりなら…陽は太陽だね。 誰にも負けない…輝く陽の笑顔…。