「何?」

「あのさ…葵は、島に戻りたいと思う?」

少し、空気が変わった。

「え…?」

「もう離婚しちゃったし…ここにいるの意味ないかな…って思って」

…確かに。
あたしの両親は、結婚するために引っ越して来たんだから。
離婚したら、もうこんなところにいる意味はない。

「あたしは、戻りたいけど。こっちの人達、本当めんどくさいし」

あたしがそう言うと、お母さんは笑顔になった。

「そう?よかった。じゃあ準備しましょう?」

「…え?」