…そしてついに、この高校から…あたしが巣立つ日が来てしまった…。

この高校は1日でも学校に来ていれば留年もないし、普通に卒業出来る。
そんなゆるすぎる校則のお陰であたしは今日、無事に卒業することが出来る。

高校生になってもあたしは、美海に迷惑かけっぱなしだったなぁ…。

「葵、おはよう」

窓から外を眺めていたあたしに、美海は手を振った。

「葵なんでこんな早いの?」

美海は、もっていた段ボールを置いて言った。

美海は卒業式の準備を、自らやりたいと言い、決まったらしい。