「時って、早いね…」

美海が、切なげな顔でボソッと言った。

あたしはただ、美海の言葉に黙って頷いた。

あたしの記憶にも頭の中にも、いつもいつも陽がいる。
いつなんどきでも、忘れることは出来ない…。

どうしてだろう?
あたしはまだ本当の現実を理解出来ていないんだろうか?

それとも、理解したくないだけなのか…。

目の前にいなくても、瞳を閉じれば陽がいる。

あたしの全ては、まだ陽でいっぱいなんだ。

自分でも本当、悔しいくらいに…。