朝…

あたしは自然と起きてしまった。
ふと、あることを思い出したから…。

陽の病気。
そんないつ死んでも可笑しくないような人が、こんな普通に生活して、何も起こってないなんてやっぱり不思議だ。

何かが起きたら大変だけど…起きてほしくないけど…
それだけが本当に不思議だ。

「葵ー、今日学校サボろうぜ!」

陽が窓から身を乗り出していた。

「いいよ!海行こうよ」

あたしはサンダルをそっと玄関から移動し、外に出た。

夏休みも終わり、9月だと言うのにまだ暑い日々は続く。