「ねぇ、早くしてよ。つまんない」

美海は下敷きをパタパタさせながら、退屈そうに言った。

「お前ら…受験のこと考えてないのか?」

「俺、行く気ないし」
「美海は推薦あるからー」

茜と美海は、他人事のように言う。
受験…高校かぁ。

「葵はどうするんだ?」

「あたしは…あの場所行こうかなぁ…」

昔住んでいた場所の近くの高校。
そこは校則もゆるく、登校拒否してたって卒業出来る。
本当にゆるすぎる高校。

お母さんにも、そこ入れば?と言われていた。