「何いい子ぶってんのよっ…!」
女の拳が飛んできた。

バシッ―…
「…っ…?」

目の前には、女の拳を止める陽の姿があった。

「「陽…っ」」

女とあたしと美海の3人の言葉が同時に重なった。

「前にも言ったけど。暴力を振る女は嫌いだ」

「…っ、コイツだって暴力振るんじゃないの?」

「葵は暴力は振るような子じゃないから」

女は唇を噛んだ。

「なんで…なんで、あたしじゃダメなの?なんで…この子なのよ」

一筋の雫が、綺麗に女の頬を伝った。