「ねぇねぇ、竜也たちは乗らないの?」

 えっ?

「いや、乗らねぇよ」

「なんで?おもしろそうだよ?」

 なんで?って言われても…

「結奈、男子はあんまり乗らないんだよ。周り見てみ?」

 俺が言葉に詰まっていると、美緒が代わりに答えてくれた。

「う~ん…あっ、でもあそこ乗ってるよ?」

「えっとね、あれは少し特殊でしてね…。ざっくり言うとカップルですね、はい」

「えっ?!あっ、そうなんだ~……へ~」

「というわけで、結奈ちゃんと美緒は行っといで。なんなら結奈ちゃん俺と乗る~?」

 あっ、瞬復活したんだ。

「…いや、美緒と乗るよ」

「そりゃ残念。はい、いってらっしゃ~い」

 瞬が二人の背中を押すと、嬉しそうに走っていった。

「ふ~、危なかった」

 二人に声が聞こえないくらいの距離になると、瞬が額の汗を吹きながらポツリと言った。

「なにが?」

「ん?あぁえっとね、もうちょっとで竜也が美緒に連れて行かれそうだったから」

「なんで?」

「う~ん…まぁ、それは後々言うよ」

 なんだ?

 わけわからん。