「ごめん。付き合えねぇ。」

 え?

 この声って……!

「どうして!桃山くん、付き合ってる人いないんでしょ!」

 …やっぱり……。

 竜也だった……。

「付き合えない理由だけでも言ってよ!」

「…………好きなやつ、いるから……。」

 ズキッ……。

 そっか、竜也好きな人いたんだ。

 だから誰とも付き合わないんだ

 その人のこと、そんなに好きなんだね……

 私のことなんて、どうも思ってないよね……。

「ねぇちょっと、このプリント教室に持っていっててくれるかな…先生に呼ばれてて急いで行かなきゃいけないの」

「あ、わかりました!まかせてください!」

 偶然通りかかった人にプリントを渡して、私は走り出した。

 自然に涙が溢れてきて、涙がこぼれないようにひたすら走った。

 あの場にいたくなくって、誰もいない場所にいきたい。