竜也のことを考えながら準備をした五分後、電話がかかってきた。

 ♪~…♪~♪…………

 きっと竜也んちからだ!

 私がでる~!

 もう少しで手が届きそうな距離だったのに……

 ガチャッ──

「はい、姫川です。」

 お母さーーーーん!

 ひどいよ~(泣)

「あっ、竜也君。」 

 なに?!

 竜也だって?!

 うわぁぁぁぁぁん!(泣)

 私がでたかったぁーーーー!

「──……うん……えぇ…わかったわ、ありがとう竜也君。もう少ししたら行くってお母様に伝えておいて。」

 ガチャッ…

「結奈、あっちはもう準備できてるらしいからもう少ししたら行くわよ!……って、なんでそんな顔してるの?」

 ………ふんだ!

 いいもん!

 どうせ変な顔ですよ~だ!

「まあ、それはおいといて。」

 それはそれでひどっ!

「車出すように言ってくるから荷物持ってきなさい。」

「……はぁい……。」
 
 電話……でたかったな……。

 私は少し落ち込みながら、お母さんに言われたとおり荷物を取りに部屋に戻った。