──ガチャッ──

「あら、結奈綺麗じゃない。」

 私が1人落ち込んでいるとお母さんが入ってきた。

「やっぱり似合うわ~♪私の思った通り!」

「似合ってないよ!」

「えっ?気に入らないの?」

 気に入らないのって……

「気に入る気に入らないの問題じゃない!何このドレス!裾短すぎでしょ!私のふっとい足が見えるんだけど!しかもこのフリフリ!わけわかんないんだけど!これが私に似合うわけないじゃん!」

 ハァハァハァ……。

 言いたいことを一気に言ってしまって息が切れる。

「似合ってないと思ってるの?」

「思ってるよ!」

「……結奈スタイルいいから似合ってるのに。結奈細いもの。すっごいスラッとしてるから絶対似合ってるのにね~。」

 …………………………。

「あぁあ。このドレス着てる結奈見たら、絶対竜也君似合うって言ってくれると思うんだけどな~。」

 ………………………。

 竜也が……

 似合うって……言ってくれる……?

 似合うって…………………。

「……でも、結奈が着たくないなら他のドレスを「着る。このドレスでいい。」

「そう?ならそれでいいわね。(ふふっ、竜也君の名前だしたら着てくれたわ~♪ほんと竜也君が好きなのね~♪)」

 何ニヤニヤしてるのこの人。
 
 怖………。

 ……それより、竜也似合うって言ってくれるかな…。

 こんな太い足、目障りだとか思わないかな……。

 でも、着るって言っちゃったし……。

 恥ずかしいけど仕方ないか。

 竜也、似合うって言ってくれたらいいな。