「お前あほだな!」


腹を抱えて爆笑するのは、いつも私の事を馬鹿にしてくる櫻井。



「うるさいなぁ。忘れてただけだよ。人間忘れることもあるって。」



それにしても暑い。



「なあなあ、お前さー、来週の夏祭り行くダチも男もいねえんだろ?」


みんな集会があるからぞろぞろと教室を出ていく中、いきなり答えるのがめんどくさそうな質問をしてきた。



「いるよ?」



今年は薫くんと行こうと思うし。



「は?嘘だろ?」



信じられないとでも言うような顔で櫻井が私の顔を見ている。




「本当だけど。」




最後の一言で櫻井は黙り込んでしまったので、私は無視して体育館に行くことにした。