「ふぇ……」

こんにちは、楠城要です。

今あたしは、高等学校という施設の前に呆然と立ち尽くしているわけであります。

……実はあたし、極度の人見知りでありまして……。

友達出来なかったら……と考えると怖いんだよね。

……まぁ、だけど。

何事も勇気100%で取り組むんだ!!要!!

「……ふぅ……」

校門の前で、一つ大きく深呼吸して、ぎこちない歩みで校門を越した……。

と、その時。


「んよっ!!」

突然後ろから声をかけられて、あたしは小さくつまづいた。

だ、誰!?

勢いよく振り返ると、

「要じゃん!!」

「なる!!」

「あんたもココだったの!!」

「うん!!なるも!?一緒だぁ!」

「はは、そんな嬉しいか」

この子は、長谷部成美。

中学からの……親友と呼べるような仲。

「……てかあんた、こんなとこで何してんの?」

「だ、だって足がすくんで……」

「あほ!!ちゃっちゃと歩く!!ほれっ!!」

あたしの背中をドンッと叩いて、押すように歩き出した。

「ちょっ、なる!!あた、あたし友だっ……」

「あんたが人見知りなのは知ってる!!だからこそだよ!!」

……なるの鬼!!あたしが人見知りなの知ってるくせに!!

と、まぁこんな感じで。

あたしの高校生活はスタートしていきました。