「…必要と。
される事、って。
こんなに嬉しいもの、なんですね」
家から空気同然の扱いを受けて。
学校から問題児のレッテルを貼られて。
街でも通り行く大人達の軽蔑の眼差しを受けて。
私が生きてる、意味なんて。
あったのかって。
ずっと、ずっと思ってた。
むしゃくしゃして何もかもに喧嘩を売っていたから。
初めて。
私を心から必要としてくれる人達。
それが。
花蓮の仲間でよかった。
麻美さんでよかった。
私が花蓮のメンバーでよかった。
溢れ続ける涙に、総長と副総長はあたふたしている。
その後ろから呑気な声を出す朱美さんに都がやって来た。
「おお、菜々美、今日大活躍だったな。
さすがだよ。佐緒里の見込んだ女」
「…え?」
「あーーーー!!言うんじゃねえ!」
私が問い返すと、佐緒里さんが大慌てで叫ぶ。
「…何の話ですか?」
「何でもねえ、何でふげっ!!」
麻美さんに口を塞がれて佐緒里さんはそのまま引きずられる。
必死に抵抗してるけど、なんなんだ。
そんな佐緒里さんを見て、朱美さんがニヤニヤしながら佐緒里さんを見ていた。