「入学してから、ずっとうぜーと思ってたんだよ!」


沙里は私の胸倉を掴むと、腹に一発パンチを入れた。


「!!!!」

「ずっと殴ってやりたいって思ってたんだ!」


沙里の手は止まらず、更に私の顔を殴る。


痛みで、私は反撃出来ずにいた。


そこに。



「お前」


沙里の髪の毛を掴んで、低い声を発した相手。



それは。



「―――――――…佐緒里さん」


私の嫌いな、佐緒里さんだった。



「菜々美によろしくやってくれてんな!ああ!?」

「あああ!?何だ、てめっ」


沙里が髪の毛を引っ張られながら、佐緒里さんを威嚇する。
こんなぶち切れてる佐緒里さん、初めて見た。

それに唖然としながら、私は二人の様子を見ていた。


佐緒里さんは鼻で笑いながら、髪の毛を引っ張って後ろへと投げ飛ばす。


それから、沙里に馬乗りになる。
何度も沙里の顔を殴っている佐緒里さん。



だけど。